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うちの村はマンガンの鉱脈があるらしく、ボクらが生まれる前は盛んに採掘がされていたそうです。
マンガンとは原子番号 25 の元素で元素記号は Mn。 マンガン鋼やマンガン電池の材料に使われたりするらしい。 うちのすぐ上の山にも採掘現場があり、なんと我が家の庭まで線路を引いてトロッコで原石を運搬していたそうです。 当時はたくさんの人夫さん達が働きにきており、その中には五木ひろしさんのお父さんもいました。 まだ子供だった五木さん(本名は知りません(^^ゞ)はお父さんに連れられて我が家にも来たことがあるそうです。 小学生の頃、そういう話を聞くたびに、色々と想像してはその頃の様子をぜひ見たかったなぁと残念に思ったものでした。 今は当時の活気をしのばせるものはほとんど見あたりません。 何年か前に見に行ったら、廃坑となった鉱山はほとんどが崩れて穴も小さくなっていました。 トロッコが通っていた山道もレールは朽ち果て所々に枕木のコンクリートや金物が落ちているくらいです。 それでも、ボクが小学校の頃にはまだ穴は巨大な洞窟のままで、何度となく探険に出掛けたものでした。 目的はコウモリの捕獲! 青い鳥とかコウモリとか川の主の巨大鯉とか、ボクはどうもそういうのを探すのが好きだったみたいです……結局何にも捕まえられませんでしたが(^^ゞ 廃坑は大、中、小と三つばかりあり、一番低い場所にあった小さい穴は崩れてほとんど埋まっていました。 真ん中の穴は奥行きが10メートル程度、勿論真っ暗でしたが、そこにコウモリがいるのは分かっていましたから虫取り網を持って何度か捕まえに行きました。 でも、コウモリはすばしっこくていつも逃げられてしまいました。 かわりに、ひんやりと冷たい岩肌にまだら模様のカマドウマがたくさん群れていて、ボクらが近づくと一斉にこちらの顔や体に体当たりを喰らわせてきました。 その、グニュっとした感触を今でもハッキリ覚えています。 いつも何人かの友達と一緒に行ったのですが、ボクらは大抵大声を上げて逃げ出しました。 一度、捕獲に失敗するとコウモリはなかなか帰ってこないので、一番高いところにある一番大きく深く不気味な穴に入って遊びました。 中は真夏でも寒いくらいで、息はいつも白い霧へと変わりました。 懐中電灯を頼りに20メートルほど奥へ歩いていくと低い場所には池のように水が溜まっており、中に入って進むとしびれるくらいに冷たかったものでした。 道が崩れて断崖になっており、最深部にはいけなかったのですが、ロープを張ってでも行ってみたい衝動に何度も駆られました。 でも、万が一事故にあったりすると家族に迷惑が掛かるし、まだ死にたくないしなぁ、なんて弱気が出て結局は実行できませんでした。 昔っから、ここぞというところで勇気が足りないボクでしたが……でも、それくらいで良かったのかもなぁ。
by kaizoe
| 2004-09-28 02:23
| 田舎生活
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